ネムリ穴とハトメ穴、違いは?生地と場所にあったボタンホールの選び方。

道具とコツ

私の使っている家庭用コンピューターミシンには3種類のボタンホールが搭載されています。

何が違うのかなぁと詳しく調べたところ

シャツボタン、ネムリ穴、ハトメ穴

という基本的なボタンホールが一通り揃っているということが分かったんです。

それぞれどんな生地、どんな洋服に使えばいいのでしょうか。

既製品のボタンホールと家庭用コンピューターミシンで作ったボタンホール

どんな違いがあるのかについてもご紹介します。

↓ボタンホールを縦に開けるか横に開けるかに迷ったらこちら↓

これがネムリ穴とハトメ穴!自分で作れる基本的なボタンホール3種類

最初に書いたように、ミシンで縁をかがってできるボタンホールには

シャツボタン穴、ネムリ穴、ハトメ穴、大きく分けて3種類あります。

他にも玉縁ボタンホールという別布を使ったミシン目の見えないボタンホールや

紐ループにボタンを通す留め方などデザイン性の高いものもあります。

まずは基本的な3種類について詳しくみていきましょう。

シャツボタン

最も基本的なボタンホールです。

シャツホール、(ただの)ボタン穴、スクエアボタンホール、など様々な呼ばれ方があります。

長い辺はジグザグ縫いのように細かくかがり

短い辺は何重にも同じ場所を縫って丈夫にしてあるタイプのボタンホールです。

その名の通りYシャツに使われるボタンホールで

他にもブラウスやカジュアルシャツ、カーディガンなど

薄手の生地で比較的小さなボタンのボタンホールによく使われています。

家庭で服を作ったりリメイクしたりするなら、ほとんどの場合このボタンホールで問題ありません。

ネムリ穴

眠っている目のように閉じていることからその名がつきました。

シャツ用と大きく変わらないように見えますが、よく見ると片側がまぁるくなっています。

デザイン的に丸みを帯びている方が好まれる場合や、丸い方にだけ負荷がかかりやすい時などに使います。

またあえてボタンを空けているように見せる”あきみせ”や

ジャケットの胸元につけるお花や社章用のフラワーホールにもネムリ穴が使われます。

丸みを帯びた形状が柔らかい印象を与える効果があるので

ブラウスなど上品なスタイルの洋服を作るときに活用できそうですね。

ハトメ穴

ハトメは鳩の目と書きます。

その名の通り鳩の目のような形状をしていて、目の部分にボタンを縫い止めた糸の束や足つきボタンの足が入るようになっています。

大きなボタンは穴同士が離れているのでその4本ないしは2本をまとめた糸足も太くなってしまいます。

シャツボタンやネムリ穴のボタンホールにこんな太い糸足が入ると

生地が歪んだり、ボタンホールに余分な力が加わったりしてしまいます。

またその大きな糸足や足つきボタンの足がその穴に収まることにより

ボタンホールの中でボタンが動いてしまうことも防ぐことができます。

大きな糸足のボタンで、普通よりも大きな力が加わるハトメ穴を作る時は

その縫い目の中に、芯となる太めの糸を入れながら縫っていきます。

家庭用コンピューターミシンではあらかじめ

ボタンホール押さえに糸を張ってからセットしてハトメ穴を縫うようになっています。

プロはどう開ける?既製品のボタンホールとの違い

こちらの4つのボタンホールは、工場で量産されるようなタイプの市販の洋服を撮ったものです。

家庭用コンピューターミシンで作るボタンホールと比べると

形状はもちろん縁かがりの一目一目もなんだか違う縫い目のようです。

このような工場で作られる量産型の既製品では

”その形状のボタンホールだけを縫うミシン”を使って作られています。

でも家庭用コンピューターミシンで作った服が”販売できない””着用に耐えられない”訳ではありません。

ここでは市販品のような専用ミシンでボタンホールを開けるメリットと

家庭用ミシンでも十分着用に耐えられる理由についてみていきます。

専用のミシンでボタンホールを開けるメリット

同じ種類の洋服を大量に生産する縫製工場では縫い目が変わるごとに違うミシンを使って

パーツごとに分担して1着の服を作っていきます。

JUKI「ミシン博物館」内で様々な工業用ミシンを見ることができます。

ボタンホールもその工程のうちの一つで、ボタンホール専用のミシンで開けていくのです。

そのような専用ミシンで開けたボタンホールにはどんなメリットがあるのでしょうか。

特殊な形のボタンホールが開けられる

キャップなどに開けられている”菊穴”という丸い穴や

ジーンズのウエストに使われる”ハトメ流れ”という大きなボタンホールなどは

専用のミシンでないと作れないボタンホールです。

ただし、縫製工場だったらこうした特殊なボタンホールが全て開けられる訳ではなく

その工場で作る洋服に必要なミシンだけ置いてあることが多いようです。

美しく丈夫なボタンホールになる

いくつかのボタンホールをよくみてみると

ただのジグザグ縫いではなく、編み物の鎖編みのように編んであるものがあることが分かります。

全ての市販品でこのような編んであるボタンホールを使っている訳ではありませんが

専用ミシンで作ったボタンホールはこのように糸が密できめ細かい縫い目になっているので

見た目がキレイで丈夫に仕上がります。

早く大量に生産できる

家庭用ミシンで縫い目を変えるときには

一旦針を上げ生地をどかしてから押さえを交換し、生地をセットし直す時間が必要です。

特にボタンホールの場合は、きちんと希望通りの細かさになるかなど試し縫いが必要になるので余分に時間掛かります。

一方縫製工場では、その工程が終わった服が一定数揃ったら

まとめて次のミシンに持っていくだけなので都度交換する手間がかかりません。

一度調節すれば全て同じ形のボタンホールになるので短い時間で大量生産が可能なのです。

プロでも家庭用ミシンで開けている

市販品には上のような縫製工場で作る洋服と、仕立て屋さんのように1人の職人さんが全工程を仕上げていく洋服があります。

また最近ではハンドメイド作家さんも増えてきましたよね。

このようなプロの方でも、ボタンホールは家庭用コンピューターミシンで開けているんです。

もちろん、オーダーメイドスーツやこだわりの1着の場合は

下でご紹介するような手縫いや外部の専門業者さんに依頼していることも多くあります。

でも普通のボタンホールの場合、家庭用コンピューターミシンで開けていることが多いのです。

こうしたプロの方が使用しているミシンは職業用ミシンというもので

パワーや縫い目の綺麗さ、正確さが特徴です。

ただし職業用ミシンは直線縫いのみのミシンで、端処理には別のロックミシンを併用しています。

この2台はボタンホール縫いや模様縫いができないので、その部分を補完するために

家庭用コンピューターミシンとの3台体制でお仕事をしている人が多いのです。

ですから家庭用と言っても侮れない性能を持っていますし

この先ミシンをお仕事にする事になっても、家庭用コンピューターミシンは処分しないでくださいね。

↓職業用ミシンやロックミシン、工業用ミシンについて詳しく解説しています↓

既製品のようなボタンホールに仕上げたい時は?

ミシンで作ったボタンホールに納得がいかない時は、次のような方法を取ることもできます。

手縫い

ボタンホールは手縫いで仕上げることもできます。

これならミシンで作れる幅や大きさの枠を超えて自由な大きさ、幅、糸で作ることができます。

ミシンで作る時との大きな違いは、先に穴を開けるということです。

開けた穴の縁に沿ってチェーンステッチを細かくかけていくことによって

手縫いでも綺麗なボタンホールを作ることができますよ。

専門店に依頼する

こだわりの一着やスーツやコートのような大物の大きなボタンホールなど

特に綺麗で丈夫なボタンホールを作りたい場合は、個人でも依頼できるボタンホールの専門業者さんがあります。

郵送での依頼が可能なところと直接お店に伺わなければならないところがありますが

ボタンホール以外の部分を完成させた上で持ち込むところが多いです。

一例として神田穴絓工業(かんだあなかがりこうぎょう)株式会社さんのHPをご紹介します。

ボタンホールのネムリ穴とハトメ穴の違い、まとめ

今回はボタンホールの種類、ネムリ穴とハトメ穴の違いについてまとめました。

私のミシンで使えるボタンホールは3種類だけでしたが、実は最近の家庭用コンピューターミシンでは更に細分化され

8種類ものボタンホールを作り分けられるようになったモデルもあるんです。

こちらのSC327モナミヌウアルファでは

ボタンホール押さえが下側に取り付けるプレートとセットになっていて

より失敗なくスムーズにボタンホールを縫うことができるようになっています。

シンガーの最上位家庭用コンピューターミシン、モナミヌウアルファSC327については

こちらの記事で詳しく解説しています。

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