「ビリッ」っと嫌な音がしたかと思ったら、ズボンが破れていました・・・
このように何かに引っ掛けて破れた穴のことを”かぎ裂け”と言います。
このかぎ裂け、完全に無くすことはできませんが
お家のミシンでも”ほとんど目立たない状態”にすることはできるんです!
今回はお家のミシンを使って簡単にできる、服の破れの補修方法をご紹介します。
家庭科レベルで簡単リメイク服では
・おうちにある家庭用コンピューターミシン(手縫いのみのリメイクもあり)
・小学校の時に揃えた裁縫セット でできる
本当に着られる”家庭科レベル”のリメイク服の作り方や洋服のお直し方法をご紹介しています。
服の破れを家庭用ミシンで補修しよう!材料と道具
家庭用コンピューターミシン
服の引っ掛け破れを補修するのには、特別なミシンは必要ありません。
お子さんの入園入学用などで買うような普通の家庭用コンピューターミシンで大丈夫です。
ただ、”つくろい縫い”機能がついたミシンなら
返し縫いレバーを操作することなく両手で作業できるのでおすすめです。
普通地用ミシン糸
この破れの補修で一番大事なのが”糸の色”です!
糸の色を使って周りの生地に馴染ませることが出来れば
ほとんどと言っていいほど破れた部分が目立たなくなるんです。
とはいえ生地にぴったりあった色の糸をその都度購入するのは難しいので
今回は手持ちのミシン糸の中から
白、水色、グレー、紺、の4色を選んで重ね縫いすることで馴染ませることにしました。
何色を使えばいいのか分からない時は
こちらの「配色の見本帳」さんのカラー成分測定「色とりどり」を使ってみてください。
写真の中に使われている色と、その比率を知ることができます。
使われている量の多い色から3〜4色選んで重ね縫いすると綺麗に仕上がりますよ。
補修布(接着芯)
破れた部分に裏から貼る、片面に接着剤がついた小さな布です。
薄手の生地の場合は透けた時に目立たないように、なるべく近い色のものが選べるといいですね。
白・黒といった基本色はダイソーやセリアなどの¥100均一でも販売されていますよ。
私は急いで仕上げたかったので、手持ちの接着芯で代用しました。
生地の片面に接着剤がついている、という点で構造が同じなので代用可能です。
ただ、きちんと織られた補修布と繊維を固めているだけの不織布の接着芯では
補修布の方が強度が高くなります。
周りの生地の強度や厚みが十分あり、穴の大きさも小さい場合は
接着芯を切って使った方が安く仕上げることができますね。
補修手順①破れた穴をアイロンで整える
繊維一本一本をよーく観察
破れた部分は力が加わったそのままの形で、繊維一本一本があらゆる方向に引っ張られています。
元々生地は縦横に糸が通っているので、破れた先端の部分の糸もこの流れに沿うように
アイロンで元の流れの方向に癖づけしていきます。
元の繊維だけで穴をなるべく小さくする
もし巾着袋の口のように繊維がキューっと引っ張られて、生地が寄ってしまっているなら
指で優しく少しずつしごいて元に戻します。
また、繊維の太い生地なら可能な限り破れてほつれ繊維の先を織り直しておくと
完全に空洞になる場所が少なくなりますし、補修後も目立ちにくくなります。
それでも大きくはみ出してしまう繊維や、ぴょんと飛び出してしまう繊維は
生地ギリギリのところでカットしてしまって大丈夫です。
補修手順②補修布を裏から敷いて、上からアイロンで貼る
アイロン接着の補修布は大きめにカット
補修布は裏から貼ります。
アイロン接着のワッペンやお名前シールと付け方は同じです。
アイロンを高温設定にして、ゴシゴシ擦らず体重をかけて10〜20秒当てます。
補修布を穴よりも少し大きめにカットします。
一度穴の空いた箇所はどうしても強度が弱くなってしまいます。
でも補修布でより遠くの生地と一体化させることで、もし同じような衝撃が来ても
補修布が当たっている範囲で力を分散させることができるのです。
片面接着の補修布、表裏の見分け方
カットした補修布は裏から貼ります。
接着面はよく見ると透明なつぶつぶしたものがついているので
この面がきちんと破れの方に当たっていることを確認しながらスボンの中に入れましょう。
補修布の真ん中に破れた部分が来るように微調節します。
ズボン裏返して、直接見ながら貼り付けた方が楽じゃない?
はい。楽なんですけど
今回の場合、しっかり表から見ておきたい理由があるんです。
補修布を貼る時は”表から”アイロンをかけて!
先ほどせっかく整えた繊維の流れがぐちゃぐちゃになってしまわないように
表側で繊維の流れをしっかり確認しながらアイロンをかけたいんです。
ほどんど繊維がほつれず、刃物で切ったように綺麗に切れている場合は
裏からアイロンをかけても大丈夫です。
でもほつれた繊維を整えながら補修する場合は、整えた通りに補修布に張り付くように
細かい繊維の一本一本まできちんと補修布に張り付くように、表からアイロンをかけましょう。
今回のデニム生地は、横糸が白、縦糸が青と染め分けているもののようなので
先に横糸を補修布に貼り付けるようにアイロンを当てて
上から被せるように縦糸の流れを整えて、白い色が目立たないようにしました。
接着剤は繊維に染み込むほどの量ではないので、上に来た縦糸までは張り付きませんが
この上からミシンで補修していくので、完全に張り付いていなくても問題ありません。
補修手順③織り目に合わせてミシンで直線縫い↔︎返し縫い
ミシン糸の色は無料ツールで解析
最後にミシン糸を使って、色を馴染ませ生地を補強していきます。
複数の糸を次々重ね合わせることで
色えんびつで塗り重ねるように、周りに生地の色に合わせていきます。
しかしこれがなかなか大変です。
イラストや写真の補修なら、拡大してその1箇所に細かく色をつけていくことができますが
生地の場合はそうもいきません。
黒のスラックスなどのように無地のものであれば、糸も黒1色で済みますが
今回のズボンは、先ほど確認したように縦糸と横糸の色が違う上に
履き古したようなウォッシャブル加工がされているので、ベタ塗りのようにはいきません。
何色を使えばいいのか分からない時は
こちらの「配色の見本帳」さんのカラー成分測定「色とりどり」を使ってみてください。
生地を拡大した写真をアップロードすることで
その写真の中に含まれる色を抽出し、似た色味を分類してくれます。
画面上の色と実際の色は若干異なりますが
抽出された色のうち多いものから3〜4色選ぶことで、綺麗に馴染む色が選べちゃいます。
その結果、今回は手持ちの糸の中から
白・水色・グレー・紺、の4色を選びました。
が、後から思えば紺は必要ありませんでしたね(^^;;もう少し藍色に近い紺なら良かったのですが…
また、暖色系にはベージュ、寒色系にはグレーが馴染みやすいので
「あともう一色…」という時にプラスするとよく馴染みます。
足りないくらい粗いジグザグからスタート
この糸を穴の上からジグザグと縫い重ねていきます。
順番は色々失敗した結果、一番比率が低いものを最初に、最も比率が高いものを2番目に
中間色を一番最後にするのが一番馴染みやすかったです。
行きは直線縫い、帰りは返し縫いで繰り返しジグザグ縫っていくのですが
通常のジグザグ縫いと違い横方向へ自分で生地送りをする必要があります。
一往復ごとに少しずつ斜めに向きを変えながら縫い進めていきます。
最初から細かく穴を埋める必要はありません。
荒いジグザグを上へ上へと重ねていく方が綺麗に馴染んでくれますよ。
これでお家のミシンを使って簡単にできる、服の破れの補修が完成しました!
ミシンの付属糸はこんな時に便利!
糸はそこまで色数を揃えてはいなかったのである程度の馴染み具合になりましたが
こんな少量多色のミシン糸セットがあれば
もう少し綺麗に色合わせできたんだろうなぁと思いました。
家庭用コンピューターミシンの場合、新しく購入すると一緒についてきたりしますよね。
私はとうの昔に使い切ってしまっていたので、今後に備えこちらを購入しました!
作業自体は意外と簡単なので
ちょっとした破れはぜひお家でお直ししてみてくださいね。
ミシンに”つくろい機能”があればもっと楽々!
今回のミシン作業で行った、直線縫い⇔返し縫いという繰り返しの作業。
実はその都度返し縫いをしなくても自動で行き来してくれる機能があるんです。
それが”つくろい縫い”という縫い目です。
メーカーによって名前に違いはありますが
行っては戻り、行っては戻りという動きを、決まった範囲で繰り返してくれるんです。
私のミシンの場合は1.5cmの幅の中を5cmの距離で行き来してくれます。
大きい破れの場合セットし直して繰り返す必要がありますが
手でジグザグするより綺麗な直線になりますし、何より楽にミシンを動かすことができますよ。
服の破れをミシンで目立たなく補修する方法。まとめ
今回は、服の引っ掛け破れをミシンで目立たない補修する方法をご紹介しました。
作業自体はとっても簡単なので、ちょっとした破れはぜひチャレンジしてみてください。
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