「ロックミシンじゃないと伸びるニット生地は縫えない」と思い込んでいませんか?
でも、家庭用コンピューターミシン”だけ”でもできる縫い方があるんです!
このブログでご紹介しているリメイク服は全て家庭用コンピューターミシンで作っているんですよ。
この記事では
家庭用コンピューターミシン”だけ”で伸びるニット生地を縫うための基本と
より綺麗な仕上がりにするためにできる縫い方をご紹介します。
どんなソーイングでも用意しておきたい!
家庭科レベルで簡単リメイク服では
・おうちにある家庭用コンピューターミシン(手縫いのみのリメイクもあり)
・小学校の時に揃えた裁縫セット でできる
本当に着られる”家庭科レベル”のリメイク服の作り方や洋服のお直し方法をご紹介しています。
[基本]家庭用ミシンできる伸びるニット生地の縫い方!
ゆとりのある型紙と伸びの弱い生地を使う
家庭用コンピューターミシンだけでも伸びるニット生地は縫えます。
でもロックミシンの方が向いているのは事実です。
スパッツやショーツ、カップ付きブラのように、体に密着するような特に伸縮性の高い服は
さすがに家庭用コンピューターミシンには荷が重すぎるかなぁと思います。
家庭用コンピューターミシンで伸びるニット生地を使った服を作るときは
ゆとりのあるシルエットで作られた型紙と伸びの弱い生地で作るのがおすすめです。
ゆとりのあるシルエットとは?
ゆとりのあるシルエットとは、ダボっとしたシルエットで着るTシャツやトレーナー
ボトムスで言えばガウチョパンツなど体の線を拾わないシルエットの服をいいます。
ニット生地の伸縮を利用しなくても
難なく腕を上げ下げしたり膝を曲げ伸ばしたりすることができるのが目安ですね。
スラックスなどのボトムスは、元々伸びない生地で作ることを前提としたものが多いので
そういった型紙なら、図書館などの本でも簡単に手に入れることができます。
縫い方のコツが掴めてくればTシャツ程度のピッタリシルエットでも縫えるようになるので
最初のうちはゆったりシルエットの型紙でニット生地を”体感”してみてください。
伸びの弱いニット生地とは?
一口にニット生地といっても肌着のように薄く柔らかい生地や
洗濯してもなかなか乾かない目の詰まった分厚い生地など様々な種類があります。
こうしたニット生地の中でも最初に扱う生地としておすすめなのは
伸びが弱く分厚いニット生地です。
私は市販の服をリメイクすることがほとんどなのですが
男性物のダボっと真っ直ぐシルエット、分厚く乾きにくそうなものをよく選んでいます。
生地としてお店で販売されているものでは”天竺”や”スムースニット”という名前になります。
天竺は表裏があり端が丸まりやすいもの
スムースニットは表裏がなく端が丸まりにくいもので、こちらの方が伸びが弱くおすすめです。
ただし、どちらの生地も薄くなればなるほど扱いが難しいので
最初に選ぶ生地はなるべく分厚いものを選んでください。
上糸レジロン×下糸ウーリーロック、ニット用の針も忘れずに!
スパンミシン糸や普通地用ミシン針など
最初からミシンについてくる基本アイテムで伸びるニット生地を縫うとこんな感じになります。
一見きちんと縫えているように見えても
ぎゅいーんと生地を伸ばすと糸がその伸びに耐えきれずに切れてしまったり
縫った直後はなんともないように見えても
2〜3回洗濯すると縫い目が切り取り線のように切れてしまったり・・・
家庭用コンピューターミシンで伸びるニット生地を縫うためには
針も糸もニット生地専用のものを使う必要があります。
家庭用コンピューターミシンで最大限できる”伸び”対策
伸びるニット生地用のミシン糸として一番有名なのが
「レジロン」という名前で販売されているミシン糸です。
綿ではなくナイロン繊維でできたミシン糸で、見た目には”伸び”を感じませんが
ぎゅっと引っ張ると少し伸びるのがわかるかと思います。
さらに伸縮性が強い糸として「ウーリーロックミシン糸」と呼ばれるものがあります。
こちらは一度よりをかけた糸をほぐしてできていて、繊維の1本1本が見えるような状態です。
市販のTシャツの裏を見てみると端処理などによく使われています。
非常に伸びが良いのですが、縫い目が見える位置にくると少々目立つのが難点ですね。
家庭用コンピューターミシンで伸びるニット生地を縫うときは
この2種類の糸を使って縫っていきます。
上糸にレジロン糸、下糸にウーリーロックミシン糸を使ってください。
Tシャツの裾など縫い目が見える箇所はレジロン糸が見えるように表から縫います。
ウーリーロックミシン糸をボビンに巻く際は手縫い用の糸通しなどを使って穴に通し
ピンと糸を張って最大限伸びた状態でスタートするようにしましょう。
ニット用のミシン針は”先が丸い”⁈
針という名前からすると意外なのですが、実はニット用のミシン針は”先が丸い”んです。
というのも伸びるニット生地は普通地よりもより柔らかく細い繊維を
細かく細かく編み上げて作られています。
そんな生地に先の鋭い普通地用のミシン針が刺さると、その繊維は簡単に切れてしまうのです。
すると紙に入れられたミシン目のように、縫ったラインがそのまま切れてしまいます。
それを防ぐためにニット用のミシン針は先端が丸く加工されています。
見た目にはわからないほどなので指に刺さると危ないことに変わりはありませんが
伸びるニット生地を縫う時には必ず針を交換するようにしてください。
上糸の糸調子を弱める
レジロン糸とウーリーロックミシン糸のコンビを最大限活かすためにもう一工夫します。
それは”上糸の糸調子を弱める”ということです。
通常家庭用コンピューターミシン糸では
上糸と下糸が生地の真ん中で絡むように糸調子を調節します。
でも伸びるニット生地を縫う場合、糸調子をきちんと釣り合った状態にすると
せっかくのウーリーロックミシン糸の伸びがその一目の中だけで完結してしまい
伸び幅が限定されてしまいます。
そのため家庭用コンピューターミシンで伸びるニット生地を縫うときは
ウーリーロックミシン糸を最大限に生かすために、あえて”上糸の糸調子を弱める”ようにするんです。
上糸のレジロン糸を弱めることで下のウーリーロックミシン糸は
トンネルの中を通っているだけのような状態になり自由に伸び縮みできるようになります。
どのくらいつまみを回すとトンネルのような状態になるかは
家庭用コンピューターミシンでも機種によって異なりますし、生地の厚みによっても異なります。
私がTシャツを縫った時は一番端までつまみを回さないと
しっかりトンネルのようにはならなかったので、思い切って回してみて
必ず試し縫いをしてから本縫いを始めてくださいね。
[+α]家庭用ミシンで伸びるニット生地を”より綺麗に”仕上げる縫い方
生地の下にコピー用紙を挟む
先ほど”薄くなればなるほど扱いが難しい”といったのは
薄い生地は針と一緒にミシンの中に入り込んでしまうことが多いから、なんです。
針が下りる位置は必ずしも繊維と繊維の隙間ではありません。
繊維の真上にミシン針が降りてきて
そのまま繊維ごとミシンの中に押し込んでしまうことも多いのです。
分厚い生地や薄い生地でも大きな生地のど真ん中であれば
摩擦もあるので布全体で針の圧力に耐えることもできますが
薄い生地、しかも縫い始めや縫い終わりなど
生地を押さえる力が弱い箇所では簡単に入り込んでしまいます。
そんなトラブルを防ぐために、縫い始めや生地の端ギリギリを縫う時は
生地の下にコピー用紙を挟んで一緒に縫ってみてください。
紙は布より固く、圧力がかかっても伸びることはないので
上の生地をしっかり支えてミシンに入り込むのを防いでくれます。
縫い終わった紙は破って取り除きましょう。ミシン目が入っているので簡単に破れます。
持ち上げて破るより、横に引いた方が糸を引っ張らずに切れるのでおすすめです。
紙を敷いて縫う方法については
セロファンやハトロン紙など、もっと薄く破りやすいものをおすすめしているところも多いのですが
私は多少破りにくくてもお家にあって別途購入する必要がないコピー用紙を使っています。
メモ帳やチラシでも問題はありませんが、新聞紙など生地が汚れてしまうものは避けてくださいね。
伸びどめテープを使う
伸ばして着ることを前提としたTシャツでも、実はあまり伸びなくても問題がない箇所もあるんです。
例えば肩線はほとんどの型紙で”伸びどめテープ”を使うように指定されています。
市販のTシャツでも肩の部分を解くとビニールのような紐が入っているんです。
伸びどめテープには
ほとんど伸びない「平織り」、生地の伸縮にもある程度ついていける「バイアス」など
伸びの強さによっていくつか種類があります。
肩線は伸びどめテープを使うといっても全く伸びなくて良いわけではないので
私は「ハーフバイアス」、またはピッタリシルエットの場合は「バイアス」を使っています。
アイロンのりを使う
”アイロンのり”とは洗濯のりの一種で
Yシャツなどにスプレー後アイロンをかけると、シワを伸ばしパリッと整えてくれるアイテムです。
簡単に固まりますが、洗濯すれば簡単に元通りになるので
”硬い方が縫いやすいけど伸びが良くなければ着れない”ニット生地でのソーイングにもおすすめです。
縫う箇所にアイロンのりをスプレーして乾く前にアイロンでまっすぐ平らにします。
固くなったらそのままミシンにかけて問題ありません。
生地全体にかけてしまうとかなりの量が必要ですし、必要以上に硬いのも扱いにくいので
縫い始めや細かいパーツなど、特に縫いにくい部分に使うと効果的です。
ほとんどの場合問題ないかと思いますが、念の為あまり生地などで試して
色が変わったり傷んだりしないか確認してから使うといいですね。
テフロン押さえを使う
”テフロン押さえ”または”スムース押さえ”という名前で販売されています。
押さえ金に張り付いてしまい生地送りが難しい生地もスムーズに縫うことができます。
生地の下だけでなく上にもコピー用紙を載せることで防ぐこともできますが
縫い目が見えないまま縫い進めるのはなかなか大変です。
ニット生地は”張り付く”ということはないですが「引っ掛かりが強いなぁ」と感じたり
生地を押さえの下に送り込むのが大変な場合は使ってみてくださいね。
ミシンの押さえ圧を弱める(対応機種限定)
ミシンの押さえは、生地を押さえ平らにすることで安定して縫い進めることができます。
ただ伸びるニット生地の場合
押さえ圧が強すぎると生地が押さえの下に入っていくことすら妨げてしまうこともあります。
入り切れなかった生地が入り口に留まってしまうのです。
こうなるとニット生地を伸ばしながら縫うことになり、ピロピロの仕上がりになってしまうのです。
一部の家庭用コンピューターミシンにはこれを防ぐために
”押さえ圧調節機能”がついています。
押さえ圧が調節できれば
ニット生地だけでなく薄いシフォンやオーガンジーといった素材もスムーズに縫うことができます。
こうしたありとあらゆる生地や縫い方に対応できるのが
家庭用コンピューターミシンの良いところですね。
三段縫いと伸縮地縫いを使う
縫い目によってどのくらい伸縮に耐えられるのかも変わってきます。
上糸レジロン糸×下糸ウーリーロックならほとんどの場合直線縫いでも問題はありませんが
特に伸縮が必要な箇所には、部分的に”三段縫い”や”伸縮地縫い”を使うと良いですね。
ただし見た目としてはあまりおすすめできないので
裏から縫う箇所など見えにくいところにポイントで使うのがいいと思います。
[おすすめミシン]伸びる生地も伸びない生地もOK!快適にニットが縫える家庭用コンピューターミシンは?
家庭用コンピューターミシンだけでなんでも縫えちゃう⁈必須の機能とは?
家庭科レベルの初心者が本当に着られるリメイク服をご紹介している私が考える
ミシンを選ぶ必須条件はこちらです。
・修理パーツのある大手メーカー製(JUKI、ジャノメ、シンガー、ブラザー、ジャガー)
・針の右側の面積が十分あり大きく安定していること
・直線,ジグザグ,伸縮地縫い、針位置の変更、縫い目の幅の変更、速度の調節ができること
・販売店独自の長期保証があり、知識のあるミシン専門店で購入すること
服作りにはこちらでご紹介しているように
「家庭用コンピューターミシン」という種類を強くおすすめしています。
もちろんどんな伸縮時にも対応できるロックミシンや
圧倒的な仕上がりと力強さの職業用ミシンには敵わない点もあります。
それでも、特に初心者にとっては
自分の趣味のために複数のミシンを購入するのはハードルが高いですよね。
「まずは1着、”本当に着られる服”を作りたい!」という願望には
”家庭用コンピューターミシン”一択なんです!
精度に差はあれど、上の2台のミシンでできることはほとんどできてしまいますし
何より”初心者が使うことを前提とした”作りになっているので
ミシンの使い方に躓かない、挫折しない親切な工夫が散りばめられてるんです。
おすすめはモナミヌウアルフファ
さらに途中ご紹介した押さえ圧調節機能がついたモデルは
=家庭用コンピューターミシンとしてフルスペックモデル、であるわけですが
こちらであれば自分や家族が着るのに何の支障もない、本当に着られる服だと満足できると思います。
ミシンに慣れていない方に起きがちな糸切れなどのエラー表示
分厚い生地までガンガン縫える送り歯の強さや貫通力が魅力です。
ミシンの購入はミシン専門店がおすすめ
家庭用コンピューターミシンの購入は
通常の通販サイトや家電量販店ではなく「ミシン専門店」での購入をおすすめします。
格安価格と安心5年保証の日本ミシンサービス株式会社ご紹介しているのは全国に約30の実店舗も構えネット販売でも人気の「ミシン販売専門店」です。
冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどをネットでワンクリックでポンッと買える人はなかなかいませんよね。
こうした家電よりもっと人それぞれ、何通りもの使い方ができるミシンも
同じくらい買うお店にもこだわって欲しいのです。
もし壊れてしまってもミシン専門店なら安心できます。
単なる取次ではなく、そこにいる熟練の職人さんがあなたのミシンを直接見て修理してくれるんです。
しっかりメンテナンスすれば家電以上に長く使えるミシン。
安心できるお店で納得できる相棒を見つけてくださいね。
[まとめ]家庭用ミシンでも縫える!伸びる”ニット生地”の縫い方。
今回は
家庭用ミシンでも縫える!伸びる”ニット生地”の縫い方をご紹介しました。
針や糸、シルエットに気をつければ
家庭用コンピューターミシン”だけ”でも伸びる生地で服作りができてしまいます!
Tシャツなどのニット生地を使った洋服が作れるようになると、手作り服を着る回数が増えるんです。
とびきりの1着を作るのも素敵ですが
毎日着られる服を作るとお子さんにも毎日着せてあげることができますね。
注意する点はいくつかありますが、本当に家庭用コンピューターミシンだけで作れます。
ぜひチャレンジしてみてください。
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コメント
Great information shared.. really enjoyed reading this post thank you author for sharing this post .. appreciated