うちの娘はプリキュアのソラちゃんが好きで、変身前の私服を作りたかったのですが
胸元のこの切り替え方や首回りの色が合致するTシャツはまず見つかりません・・・
そこで、同じ130サイズのTシャツを2枚用意してリメイクで作ってみることにしました。
メルカリで購入した1枚300円の中古Tシャツで気軽にできちゃうリメイクです。
伸びるニット生地同士をヨレなく縫い合わせる方法も分かっちゃいます。
Tシャツを切り替えデザインにリメイクするために用意した材料
家庭科レベルで簡単リメイク服では
・おうちにある家庭用コンピューターミシン(手縫いのみのリメイクもあり)
・小学校の時に揃えた裁縫セット でできる
本当に着られる”家庭科レベル”のリメイク服の作り方や洋服のお直し方法をご紹介しています。
そのほか用意した今回の材料費は600円、糸や伸びどめテープはすでに持っていました。
糸や伸びどめテープなども新しく用意する場合は約1800円になります。
Tシャツ2枚
今回はメルカリで設定できる最安値300円で販売されていたTシャツを2枚購入しました。
どちらも同じ130サイズとはいえ、メーカーが違うので横幅が異なります。
でも少しの差であればそこまで目立たないので大丈夫です。
レジロン糸(ニット用ミシン糸)
伸縮する生地に通常のミシン糸を使うと
ほんのちょっとの伸縮で「プチッ」と糸が切れてしまいます。
伸びる生地にはレジロン糸というニット用ミシン糸を使うと、これを防ぐことができます。
>>>家庭用コンピューターミシンで伸びるニット生地を縫うコツをまとめました>>>
ウーリーロックミシン糸
伸ばして着るように作られているTシャツはより伸縮に耐えられる作りにする必要があります。
特に今回は首回りもリメイクするので、下糸にウーリーロックミシン糸を使ってみることにしました。
ウーリーロックミシン糸はロックミシン用の糸ですが、応用技として家庭用コンピューターミシンでも使うことがあります。
通常かかっている”捻り”がないふわふわな糸なのでよく伸びますが、針穴にはまず通りません。
そのため家庭用コンピューターミシンで使う場合は下糸にのみ使います。
>>>伸びる生地に使うウーリーロックミシン糸の特徴と伸びる生地の縫い方のコツはこちら>>>
ニット地用ミシン針
Tシャツのように伸びる生地は、糸を織っているのではなく編んでいるので
ニット生地と呼ばれています。
ニット用ミシン針は通常のミシン針と比べて、針先が丸く作られています。
これにより細く柔らかいニット地の繊維を傷つけることなく縫い進めることができます。
Tシャツの種類にもよりますが、今回購入したのは比較的薄手のTシャツだったので
薄手のニット地用のミシン針を選びました。
>>>伸びるニット生地に普通のミシン針を使うとこうなる!この作品の失敗例もあります>>>
伸びどめテープ
家庭用コンピューターミシンで伸びる生地をミシンで縫い進めていくと
押さえの圧や生地送りの力などで、どうしてもピロピロと伸び切った仕上がりになってしまいます。
なので縫い合わせる箇所全てに伸びどめテープを貼ります。
胸元の切り替えはそこまで伸びなくても問題はありませんが
首回りは伸ばして着るTシャツなので、一番伸びるバイアスタイプを選びました。
切り替えデザインTシャツのパーツ切り出し
Tシャツ首回りの構造の違い
まずは2枚のTシャツから必要なパーツを取り出していきます。
首元は白のボディに青のリブを縫い付けたいので、まずは首回りを2枚ともほどいていきます。
白い方はボディと同じ生地で巻いてある仕上げ、青は別のリブ生地を縫い付けている仕上げでした。
白Tシャツは首回りの生地が肩線に縫い込まれていたので
肩の部分も2〜3cmほどき、首回りの生地を取り除いてから同じように縫い直します。
今回はほんの2〜3cmだったので手縫いで
直線縫いと緩いかがり縫いでロックミシンの縫い目を再現しました。
肩線の中に伸びどめの紐が縫い込まれていたので、こちらも元に戻します。
青Tシャツは肩線とは完全に分けて縫われていたのでスムーズに取り外すことができました。
どちらの首回りもほぼ同じ大きさだったので
特に切ったり伸ばしたりせず、このまま均等に縫い付けていきます。
胸元の切り替えラインを決める
次に胸元の切り替えラインをどこにするのかを決めていきます。
アニメで確認すると脇のラインよりも下、大人でいうとアンダーバストのあたりなので
これを目安にまず青Tシャツの方を切っていきます。
このTシャツは前に恐竜のロゴがあるのでそれを避けて前後反対に使います。
背中側も本来は同じ高さで切り替わっているのですが、ロゴを避けて使うことにしました。
青Tシャツがカットできたら白Tシャツの上から被せて縫い合わせる位置を確認します。
前後と脇の縫い目を合わせて置いたら、胸元の切り替えラインの最終決定をします。
青Tシャツは切りっぱなしの状態なので、後で縫い代分短くなるのですが
今はイメージの確認なので希望のライン上に置いて大丈夫です。白Tシャツのカット時に調節します。
成長期の娘の為、少しでも丈を長くしたくて青Tシャツの方を少し長めにとることにしました。
次は白Tシャツのカットラインを作ります。今回は大きくカーブした切り替えラインで難しいので
まずは横にまっすぐ一直線な裾を固定していくことにしました。
青Tシャツの裾の方が2cmほど長くなるように、ぐるっと一周まち針で止めます。
それぞれのTシャツをピンと引っ張ってたるみを取り
脇のラインを重ね合わせて高さに左右差がないようにするなど、微調整をしていきます。
胸元の切り替えラインをたるむことなくキレイに重ねられたら、まち針で仮止めします。
白Tシャツの縫い代はこの重なった線よりも下に来るので一旦外して切ります。
青Tシャツの上のラインに沿って、白以外の適当な糸でしつけ縫いをします。
糸で線を書いたのは、伸びる生地なのでチャコペンでは描きにくいからです。
この時は持っていなかったので使っていませんでしたが
チャコペンでは描きづらい生地にはフリクションボールペンがおすすめです。
青Tシャツを取り外したら白Tシャツの方をカットしていきます。
白Tシャツに糸で書いたラインのところから青Tシャツに切り替わるようにしたいので
このラインよりも1cm下を切り、縫い代を作りましょう。
筒状に切るときは最初にハサミの先で1cmほど切り込みを入れて、そこにハサミを差し込みます。
最初の一切りが曲がった線にならないようにするには
お腹の部分のようにまっすぐ一直線の部分から切りはじめるようにします。
表裏のラインがキレイに重なるようにしてください。
また袖部分の切り替えには、残っている青Tシャツの袖を使います。
このソラちゃんの切り替えデザインの場合、袖口が少し広がっているように見えるので
袖を上下ひっくり返して、筒の大きい肩側を裾側に使うことにしました。
肩と袖はロックミシンで縫われていたので、これをキレイにほどいて外しておきます。
これで各パーツのカットが完了しました。
Tシャツに伸びどめテープを貼る
伸びどめテープを貼る場所
次に縫い合わせる部分に伸びどめテープを貼っていきます。
伸びどめテープは細く作られた接着芯です。
生地の片側にのりが塗られており、その生地の伸びやすさによって
平織り、ハーフバイアス、バイアスの3種類に分けられています。(メーカーによって名称は異なる)
今回の場合、一番よく伸びる首元に合わせてバイアスを選びました。
もし細かく使い分けるなら、胸元の切り替えはハーフバイアスでも問題ありません。
伸びどめテープを貼る場所です。
今回の切り替えデザインTシャツの場合、貼るのは胸元の切り替え(青、白共に)と首回り(白のみ)です。
首の青いリブ生地はピロピロしづらいので必要ありません。
また袖に関しては、白Tシャツの袖口の端処理が二つ折りになっていて丈夫なのと
その白Tシャツの下に青Tシャツを差し込む形で縫っていく為ヨレにくいと考えて貼りませんでした。
Tシャツに伸びどめテープを貼る方法
バイアスの伸びどめテープは手で引っ張ると簡単に伸びますが
その”伸び”は貼った後で発揮して欲しいので、貼るときには伸ばしすぎないように注意して貼ります。
この動画のように、カーブの内側で伸びどめテープ同士が重ならないようにしつつ
でも貼った後にもその”伸び”が十分に発揮される程度の余裕を残して貼りましょう。
また、伸びどめテープの上から縫うことでピロピロを防ぐことができます。
今回は縫い代5mmくらいで縫うのを想定して、伸びどめテープは幅9mmのものを使っています。
もっと内側に縫い目を作りたい場合は
布端から少し離して貼るか、太い幅の伸びどめテープを使ってください。
ウーリーロックミシン糸を使う準備
ウーリーロックミシン糸とは
ウーリーロックミシン糸はその名の通り
ウールのようなふわふわとした見た目のロックミシンで使われるミシン糸です。
通常糸を作るときには細い繊維にヨリ(ひねり)を加えているのですが
ウーリーロックミシン糸は一度かけたヨリをあえてほぐしてある糸なんです。
そのため繊維と繊維の間に余裕があり、とても伸び縮みしやすい状態になっています。
市販の肌着など特によく伸びる素材の服をよくみると、ほとんどの商品に使われています。
ウーリーロックミシン糸を下糸に使う時の準備
本来ロックミシン用の糸ではありますが
応用技として家庭用コンピューターミシンで下糸として使うこともあります。
レジロン糸にも伸縮性はありますが、それではちょっと足りないなと言うときに使います。
今回の切り替えデザインTシャツのように首回りまで加工する場合など
特によく伸びるニット地に有効な方法です。
他の糸と同じようにボビンに巻いて使うのですが、巻くときはピンと伸ばして巻いてください。
「伸び切った状態で縫ったらそれ以上伸びなくなってしまうのでは?」
と思われるかと思いますが、それは”糸調子”で調節します。
ウーリーロックミシン糸が自由に動ける空間を作るためにあえて上糸をゆるくするのです。
この図の一番下の段”下糸が強い状態”にすることで
青で描かれた下糸のウーリーロックミシン糸が自由に伸縮できるようになるのです。
家庭用コンピューターミシンの糸調子のつまみは、数字を小さくすると上糸の力が弱まります。
極端に上糸を緩ませる必要はありませんが、少しだけ普段よりも数字を小さくしてみてください。
私のミシンの場合、糸調子が6段階あって普段は”3″で釣り合っているのですが
ウーリーロックミシン糸を下糸にする場合は1.5くらいの位置にしています。
家庭用コンピューターミシンでTシャツを縫うコツ
伸びる生地はゆっくり確実に
ここまで下準備ができたらあとは縫うだけです。
家庭用コンピューターミシンで伸びる生地を縫うときは、”ゆっくり確実に”縫い進めましょう。
ぎゅっと狭まり圧のかかる押さえの下を通るときにヨレが発生するので
押さえの下に入るその瞬間まできちんと見守ると言う意識で、ミシンの速度はよりゆっくりに
手は無理に引っ張るのではなく、きちんと生地が押さえの中に入っていくガイドという意識です。
まち針で均等に止める
先ほどのシュミレーションの通りに青Tシャツと白Tシャツを裏からまち針で止めていきます。
長い部分を均等に止めるには
両端と中心を止めてから、それぞれの真ん中を止めていくとうまくいきます。
中心を定めるときには半分におって真ん中を探します。
均等に止めることができたら、先ほど準備したミシンでゆっくり縫っていきましょう。
今回は青のレジロン糸やウーリーロックミシン糸を買わなかったので
縫い代は白の方に倒して、表からステッチをかけます。
表に見える糸はレジロン糸の方がキレイなので、必ず表からミシンをかけてくださいね。
袖は最後に
最後に袖を取り付けます。
肩側の広い方を袖口に使うのでまずは外した肩側の端処理をします。
レジロン糸とウーリーロックミシン糸のままのミシンで
端かがり縫いをかけて端処理をしたら、3cm折ってアイロンをかけます。
この幅が小さすぎたり大きすぎたりすると
ピロピロとヨレる原因になるので3cmくらいがちょうど良いですね。
袖口の縫い目が白でも気にならないなら、このミシンのまま直線縫いで処理します。
私はたまたま少し色味の違う薄い水色のレジロン糸があったので
上糸だけそちらに交換して縫ってみました。
肩側の端処理が終わったらその袖をそのまま白Tシャツの袖口に差し込んで
筒の大きさがちょうどよく重なる部分を探します。
この場合、青Tシャツの脇側の短い方が5cmくらいの場所でちょうどピッタリハマったので
この位置でまち針を止めました。
まち針を止めたまま全体を裏返しにします。
青Tシャツの端は白Tシャツの袖の先端と端処理の糸の部分の2ヶ所で止めたいので
青Tシャツの袖のいらない部分は、白Tシャツの縫い目より5mmくらい長く残して切ります。
切った先端を端かがりミシンで端処理したら
表に返して表側から白Tシャツの縫い目の上をなぞるように縫って端を止めます。
これで切り替えデザインTシャツの完成です!
[まとめ]切り替えデザインTシャツをリメイクで作る
今回は2枚のTシャツを使って1枚の切り替えデザインTシャツにリメイクする方法をご紹介しました。
「初心者向け」と書かれている本には伸びるニット素材を使った服が載っていないので
初心者では無理なのかなぁと思っていたのですが、
- ニット用ミシン針を使う
- ニット用ミシン糸を使う
- ゆっくり確実に押さえの下に入るようにガイドをする
といったことに注意すれば家庭用コンピューターミシンでも初心者でも大丈夫です!!
横一直線だけではなく斜めにカットしたりギザギザさせたりなど
同じ大きさのTシャツ2枚を使えば簡単にアレンジできそうですね。
今回はプリキュアのソラちゃんの私服としてこの切り替えデザインTシャツを作りました。
下のスカートの方はソーイングママさんの型紙を使って、同じくリメイクで製作しています。
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